グッドイヤーウェルト製法とそのほかの製法を3種類ご紹介

製法の種類

 

革靴の様々ある製法をこの記事では4つご説明いたします。
革靴の製法には様々ありますので、それぞれの特徴を知っておくことで靴選びはより楽しいものになるでしょう。

 

ボロネーゼ製法

このボロネーゼ製法は大雑把に言えば、マッケイ製法の亜種です。
ボローニャで生まれたことからボロネーゼ製法と呼ばれます。
靴の前半分には中底を使わず、後ろ半分にのみ中底を使用します。
靴の前方部分にアーチが出来ることが特徴です。
有名な靴の製法の一つに「モカシン」がありますが、ボロネーゼ製法はモカシンとは天地が逆転しています。
モカシン-甲の部分がU字型に縫われている。
ボロネーゼ-本底にU字型に縫った面を縫って合わせる。
これがこの2つの違いです。

また、ボロネーゼ製法は手間のかかるため、近年この製法で靴を作る会社はほとんどありません。
ア・テストーニ(ボローニャの会社)は、このボロネーゼ製法にこだわっていますが、有名なところでは、ボロネーゼ製法にこだわった靴づくりをしているのはこの会社くらいかもしれません。

 

ブラックラピド製法

ブラックラピド製法は、マッケイ製法とグッドイヤーウェルト製法の長所を組み合わせた製法です。
ミッドソールはマッケイ縫いで取り付け、グッドイヤーウェルト製法で行っているように二度の縫い付けを行うのです。
履き心地が良く、耐久性にも優れた製法がこのブラックラピド製法です。
しかし、ブラックラピド製法がマッケイ製法の長所とグッドイヤーウェルト製法の長所を持っているということは、そのまま短所がないということにはつながりません。
ブラックラピド製法の短所は、デザインが自由に選べないということです。
ブラックラピド製法の革靴は基本的には似たようなデザインになります。
また、クッション性も高くなく、靴の重さもマッケイ製法と比較すると重いです。

このように、良く言えば「いいとこどり」であるということは、あえて悪く言うと中途半端とも取れます。
そのため、ブラックラピド製法は人を選ぶ製法でもあります。

 

ステッチダウン製法

ステッチダウン製法の靴の特徴は、ソール交換が出来ないことがあることです。
その他には、アッパーを広げソールとの縫いしろにすることが特徴的です。
ステッチダウン製法の歴史は非常に古く、グッドイヤーウェルト製法が生み出される以前からこの製法は存在しました。

グッドイヤーウェルト製法と比べると単純な造りをしており、外側に折られたアッパーは中板・アウトソールに縫い付けられています。
アウトソールは場合によっては、縫い付けをせず接着剤でつけることもあります。
機密性が高く頑丈であるため、ワークブーツなどに適していると言われています。

 

グッドイヤーウェルト製法

グッドイヤーウェルト製法は結局のところ、良い革靴に使われる定番の製法です。
イギリスやアメリカ、日本においても良い革靴を作っている革靴メーカーでは必ず採用している製法であるといっても過言ではないでしょう。
耐久性や耐水性・履き心地などが高い水準で同居している優れた製法です。

また、様々な優れたデザインがあるため、デザインを楽しむうえでもグッドイヤーウェルト製法の靴を選ぶことは良い選択です。

 

おわりに

革靴に用いられるボロネーゼ製法・ブラックラピド製法・ステッチダウン製法・グッドイヤーウェルト製法と4つご紹介しました。
それぞれの靴の製法はともに魅力的です。
製法にどれがいいどれが悪いということはありません。
どういった靴を作るためにどういった選択をするかという判断があるのみです。

それぞれの製法の特徴を知り、あなたが欲しい革靴を選ぶために本記事をご活用いただければ幸いです。